値段が安く 味は良くなく カウンターで注文する セルフサービス そんな気軽な スモール・カフェが 町のいたる所に在る 私はそのうちの一軒の 舗道に面した ガラス窓の後ろに座る 通り行く人が 自分より幸せそうか そうでなさそうか そんなことをボンヤリと思いながら 砂糖無しのコーヒーを飲んでいる 同じような程度の深さの瞳で 同じように少し疲れた人が ガラス越しにとても自然に会釈した 百年程前に 一緒に暮したことのある 人かもしれない