丘が西に向かって 森に下って行くあたりは マスタードの花混じりの牧草地 一面のうさぎの波 春の朝
耳や顔や足や尻尾が 風に吹かれた麦の穂のように いっせいに同じ方向にうねり出す
夕方大きな黒い袋を引きずった ブランツマさんとすれ違った 「こんばんは、ブランツマさん いい季節ですね」 「ええ、そうですね」 黒い袋が動いている 半月を背に 黄色いマスタードの花が揺れている