星より微かな 灯りのともる広場で 待っていた 石畳から冷気が 足から頭へと抜ける夜
見慣れた顔が通り過ぎた 恋人らしき人の頭越しに 目だけで私に微笑んだ 同じ町の郵便局員 そういえば木曜日に 旅行代理店で見かけた
郵便局員の恋 「広場で待ちます」と 書いた手紙の封筒に 切手を貼った指が 恋人の肩を抱いている
シルエットは路地に消え行き 当ての無い手紙を出した私は 帰る先も見失って 呆然と広場に立ち尽くす