旅立つ前の日の夕方に 高層ホテルの窓から 遠く青紫の輪郭をした アパートを見た 飛行機の灯りが往き来する夜 アパートの窓に各々の灯りが点いた あなたも灯りをともしているのだろうか あなたが今晩良い眠りにつくように 私はそっと祈った
旅立ちの朝 朝もやにアパートは煙っていた 私はまたそっと祈った 私と同じくらいにあなたが 幸せに生きてほしいと あなたが私と同じくらいに 不幸であってほしいと