聖霊を乗せた雨が絹糸のように 鼻先をかすめる朝に 教会の軒下に座る
異教徒の母子が側を通り その差し出した右手に 私は銀貨を一枚乗せた
教会の敷地を出た途端の驟雨 長いスカーフを被った母親が 帽子の無い少年の手を引いて 聖霊の光る雨の中に 消えて行く後ろ姿が見えた
あの母子は知らないだろうけど 今日は聖霊降臨の日