星の見える場所
ある星を
そこからしか見えない場所があるように
自分を
そこからしか見えない場所が
この地球上にいくつかある
それは火山湖の水面だったり
地下鉄のホームだったり
骨董品屋の時計の中だったりするのだが
私は少しだけ覗いて通り過ぎる
そこに留まっていると
それらは分別という言葉を浴びせかけて
私をたちまち老婆にしてしまう
老いてしまわないうちに
他の星々を見える場所を探して
私はまた旅をする
自分の心の水晶の部分に
すっと流星が落ちて来る時がある
それが青く燃えているうちは
私は心も体も遠くへ行くことができる