星の形
祈る時は
いままで訪れたことのある
全てのノートルダム寺院を思った
それはフランドル地方の港町
それは南フランスの片田舎
マリア様はいつでも御子を抱いて
金色の刺繍の服を着ていたり
青い星の縁取りの服を着ていたりした
とある町では
石炭の煤で汚れたように
黒い体をしていたりした
私は全てのマリア様に祈り
合掌した手のひらを開くと
そこに
青く淡く光る
星の形を見つけるのだった
それは今晩遅く降る星々の
小さな前触れかもしれないし
聖堂の丸天井に画いてある天空から
そっと落ちて来たのかもしれない