異国からの滞在者は やがて自分の国へと去って行く この散歩道でもみかけた カトウさんも ステファンも やがて姿を消した 自分の帰る日が決まり 久しぶりに歩いた道で 私は気付く 木々の間から 電灯の陰から 彼らが置いていった 魂のかけらがこちらを覗き 薄霧で見えない運河の上を 微かに滑って行ったりもする 私の魂も半分くらい 霧の中に流れ出す