晩夏のはずなのに ある朝突然 空が高くなり あの忘れていた季節が やって来る
穏やかな気温の中で 木々は凍り 電線は凍り 道路はひび割れ 私はひび割れた道路に 片足をつっこんで歩く
まだ右手が温かいのに 眼球と心臓が硬直し始め そうして私は いてはいけない季節から 昔暮らしていた 距離感のない 白い季節へと戻ってゆく