それは 急に発って言った者が残していった 冷蔵庫の片隅の 野菜のように シンとした青い痛みのうちに 朽ち果ててゆく
心の裏側は 徐々に疼痛が浸透するのに 心の表側は 紅く熟したトマトのように まだ熱い感情を 抱えたままでいる
それは 果てることのない時間 朽ち果てた野菜が 形を失い 透明になっても 存在だけがそこにある