仕事が一段落した頃に 部屋はゆっくりと ローリングを始め 船酔いを感じて 私はバッグを取り出し 重い鉄の扉を閉める
国道でタクシーを拾おうと 坂道を下り始めるが 道は芙蓉でいっぱいで ああ私は坂道に入る前に 鳥に成らなければいけなかったと そうして国道まで 低空飛行できたのにと 夏休みの約束事を思い出したが その時にはもう手遅れで 足に細い根が走っているのを 遠い意識のなかで 感じている