キシリトールを買っている間に 電車のドアは閉まり 電車は鋼鉄質の匂いを残して 東京方面に去って行った
次の電車まで15分間 さっきの電車か 次の電車に起こる悲劇 あるいは 踝がホームに沈む待ち人
鯖をおろすだけに買った ナイフのような鈍色の 朝の斜光が すべてのものに与える どうにもならない影