闇にも光があって 眼を凝らせば その段階や 陰影や 影の輪郭が分かるのだけれど 目の前に広がるあるいは 私も周りも 漆黒の闇で 自分が 白い花咲く野原にいるのか 青く輝く水辺にいるのか 部屋にいるのかが分からない
風の音や波の音がしないので 私はもう死んでいるのかもしれない 一歩踏み出せば 無限に落ちて行くのかもしれないが 立っている感触もなくなって 自分が闇の一部に溶けてゆく