もしもできるなら 羊を一匹ください
突然空に現れる 雨雲のような羊 前から見ると笑っているのに 横顔が永久に寂しい羊
羊はなつくでもなく 離れるでもなく いつも私の横を歩く そうして一緒に旅に出る
炎天下遠くまで続く砂地で いつか羊と私の骨が数本 誰にも気づかれずに そこに在る 私は横に羊がいるのを知っているし 羊は私が横にいるのを知っている 羊は骨になっても 笑っているような 永久に寂しい形をしている