マヌエルの写真学校構想

バスに乗って帰宅してみれば、マヌエルはモノクロ写真学校設立のために集めている大型引伸機を組み立てていたのでそれを手伝った。腰を悪くしそうな重たい大判引伸機は、LPL 7452。どっかの友人が持っていた新品同様のを40万で購入したのをスイスの自宅からここまで車で運んできたそうだ。LPLは今でも健在なようで、通販で55万円ぐらいで売っていた。
地下のガレージには、集めた引き延ばしが五百羅漢のように鎮座していたが、その光景はどっかの死体置き場に見えた。マヌエルの奥さんは墓地のように見えたとか。
ビニール袋をかぶせれば、湿気でカビが生えると思うのは日本人のようで、乾燥したこちらではカビも生えないとのこと羨ましい限りである。
普通、大判カメラやその大型引伸機をやっている人ってかなり少ないのだろう、スイスにいてもその話ができないところもあるのだろう、私がグラナダの「刑務所」にやってくると、まずは、一通りこれら引伸機とレンズの大お披露目大会が始まり、それが入所式となる。
マヌエルは、将来ここグラナダに、大型カメラ向け写真教室を開校する夢があり、そのために引伸機などをいろいろ揃えている。その設立予定地もあらかじめ購入していて、なかなかのもんだ。
大型カメラや暗室関連の用語のスペイン語って全然分からなかったので、勉強になった。
ライズ → desplazar vertical、シフト → desplazar horizontal、ティルト → bascular vertical・スウィング → bascular horizontal。
たまたま下着として持ってきたジナーのTシャツをマニエルがリクエストするので、代わりとなるお古のTシャツと交換した。
随時洗濯できるのは、海外旅行ではとても嬉しいことだ。
場所によってはコインランドリーもあるが、歩いて行けるところ?みたいな場合にあるのが多いので、それなりに選択は大イベントになる場合がある。
就寝時間は同じ23時ぐらいだけど、マヌエルはたっぷり8時間ぐらい寝ているが(寝ることができる)、私は6時間ぐらいで、5時半には目が覚める。まだ暗闇のテラスで一服して、リビングにてMacBookを開く。
空が白ずんでくる7時ぐらいに朝食を作る。
冷凍庫に入っているパンをとり出して、その辺に15分ぐらい放置しておくと何故か柔らかくなる。それをトーストしてオリーブ油をかけ、生ハムやチーズ、コーヒーをつけたシンプルな朝食だ。
目玉焼きを作りたいのだがフライパンがどこにあるのか分からず、それを聞きたいマヌエルは熟睡中だ。そもそも使ったことのないIHコンロなので良く分からない。
この日はチーズがきれていて、かつチョリッソは少し飽き気味だったので生ハムだけにした。日本のスーパーでも見かけるスライスされた生ハムが真空パックになっているのだが、時々近所の伊勢丹で買ってくる「セボ」と同じだ。こんなのが無節操に食えるのはさすが本場だ。
ここで言う生ハムのハモン・イベリコがスペインで食べられれば、他は特に気にならない。
自分用のスペイン土産に、スペインを代表するデパート「エル・コルテ・イングレス」で、小さなポータブルラジオを買った。
その日は日曜日で、通常日曜日は定休日なのだが、理由は分からないが、3月、5月、8月、9月は開店しているとのこと。
分かりやすいアナログのチューニングのが欲しかったのだが、一番小さいのはイヤホン専用。他にはなかったので次に小さいデジタル表示のUSB充電式のを買った。29.9ユーロ(4.900円)。
スペインのFMバンドの範囲は日本のと少しズレていて、日本のラジオを持っていっても殆どスペインのFM放送が聞けない。もともとテレビは見ないので、ホテルの室内にいてもFMからの音楽を聞きたいからで、マヌエル刑務所にもラジオがないことがラジオ購入の背中を押した。
最初、ラジコを試したが、日本国内のみ視聴可と表示されて断念。
また、2年前もそうだったが、ヤフーも2022年からヨーロッパにて利用できなくなった。なのでヤフオクに出品か入札をしてヨーロッパへ行く方はお大事に。
言えば、私のブログ(Wordpress)もadminへは進まず閲覧のみだが台湾で同じで進まない。YoutubeはOK。メルカリもOKかも。
小型ラジオを買ったのがとても嬉しいのは、特に土産などを予定がなくグラナダに来たので、何かお土産として買いたいなぁ、という気持ちが潜在的にあったからだと思うが、子供っぽいね。
グラナダの5月の気候は、マヌエルからすると寒くもなく暑くもないと言い、ずっとTシャツで過ごしてる。さすがに日本人の私には無理で、外出時には長袖のシャツで、室内ではトレーナーの上下だ。寝る時は寝汗をかくのは変わらないので上だけはTシャツにしている。
5月上旬まではやや肌寒いが、中旬になるとその肌寒さががなくなってくる。
このくらいのハモンイベリコのセボだと日本では数千円だけど、スペインは本場なのでスーパーで数百円ぐらい。思いっきり喰いまくるぞ。
ECの環境汚染対策の一環として、最近のグラナダの中心街エリア(勝手な予想として半径1kmぐらい)には居住者やタクシー、バス以外は進入禁止の法律ができたようだ。フロントガラスに車検証みたいなシールが貼ってあり、警察はそれで識別する。違反者は罰金で、マヌエルの車はスイス登録なので目立ち過ぎると。
それ以外の車は、その進入禁止辺りの駐車場に停めてゆくようだ。でも、12時間530円だから、とっても安い。
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