詩人カルメン
詩人カルメンと二度目のデートをした。
と言うのは、写真と詩のコラボ集を出版しないか、という彼女からのオファーがあって、この町を離れる前に具体的な打ち合わせでもしておこうというところ。こういう話は昔からたくさんあるので、過度の期待は禁物だけど。
待ち合わせは、大聖堂の横にある、レストラン「グラナデュール 2」。どっかで聞いた事ある名前だけど、かの生ハムレストランの姉妹店かな。
頼んだのはペプシで、3ユーロ(490円)。生ハムの小さなサンドイッチが無料タパとして付いてきた。庶民的な価格だ。
編集は彼女にお任せして、私の写真を見ながら詩作するようだ。
1986年と1992年にこの町を撮ったかなりの数のあるモノクロ写真群から、彼女のお眼鏡に適った写真をチョイスするのだけど、すげー大変かと思う。今秋あたりまでかかるかも。
彼女は、公文書館や文芸アカデミーみたいなところで働いているので、この企画が通れば無料的な予算が降りるらしい。日本でのこの手の話は詐欺的なのが多いのだが、さすがにこの感じではそれはないでしょ。もっとも実現には、彼女がラーメン二郎並の大盛り写真からチョイスしてゆく根性と気力が途切れないかどうかにかかっているけど。←追記:帰国してから私が50点選び、そこから彼女が任意に24点選んで詩作することとなった。
出版予定は、来年2026年暮あたりみたい。
帰国したら詩人草野早苗に、『Time To Time』のアンダルシア版が出るかもしれないよ、とメールしとこ。夢物語だったとしてもこんな年寄りからすれば、大きなアンダルシアのお土産だからだ。
『Ondas en el estanque』は、彼女著の出版物の一つ。
直訳は「池の波」 なので、日本語なら「波紋」かな。詩集ではなく、箴言(格言)集。
  2年前だけど、ホタル・パラシオ・オニャテ手前のキオスコのある小さな公園で一服していたら、目の前のブティックから女性が出てきて、「ケンでしょ?」と声をかけられた。見覚えなく誰だぁ?
聞けば、かなり昔、私に写真を撮ってもらい、最近のFecebookにそれを載せていたとかで、私のことを良く覚えている、とのこと。
彼女は自分のスマフォの中からその写真を探して見せてくれて、やっと思い出した。
1986年に小さな女の子を撮ったもので、あれから40年近く経ったのが目の前にいる女性のベアトリス(Beatriz)だった。良く見れば面影がある。へぇ、あんな可愛い女の子が、凄いべっぴんさんのマダムに変容したということだ。
今回も店の前を通るので、小さな菓子折りを持ってベアトリスの店を訪れた。
詩人カルメンと二度目に会ったのは、グァディックス滞在の最終日だった。
翌日はバスでグラナダ空港へ行って、そのまま日本へビューーンと帰る。詩人カルメンとの共著出版企画があるので、2、3年後にはまた来ると思うと少し気が楽になる。近い将来にこんな渡西計画がないと滞在最終日には、思いっきり涙ながらの寂寥感に包まれるだろうね。
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