HOME > Acci Times >
  1. 再びカタール航空
  2. マヌエル邸初日
  3. コンチの墓参り
  4. エミリオとカスタニェーラへ
  5. 再びゴメレス坂へ
  6. マヌエルの写真学校構想
  7. サンタ・フェ
  8. バル、ディアマンテス
  9. グラナダ中央バス駅
  10. 「ホテル・パラシオ・オニャーテ」
  11. 墓参り
  12. カルメンと生ハムレストラン
  13. 再びゴメレス坂へ
  14. キート夫婦と樽酒場
  15. 詩人カルメン
  16. ルルデのお弁当
  17. グラナダ空港
  18. 羽田第三ターミナル
  19. AirTag
  20. グラナダのお土産




 

エミリオとカスタニェーダへ

 2年ぶりに再会したエミリオと軽く挨拶を交わした後に開口一番、深刻な問題(grave problerma)があって大変だ、癌が3つもあり、肝臓癌と大腸癌、肺癌だ、と言ってきた。
 デジャヴーか?どっかで聞いたことがあるぞ、と思えば、2年前にも同じことを言っていたのを思い出した。
 その時は除去手術などを施術して、mejorar(病状の回復)やrecuperar(回復)などを言っていたので取りあえず危機を脱し、高齢者の手術のリスクは大きく、術後の後遺症などもあることを心配していたぐらいの元気さがあったので、次回会う時も変わらず、ぐらいに思っていた。

 今回、同じことを言うので、寛解よりも転移が先でつい最近それらが発見された、とつい悪い方向へ想像が進んでいることに自己嫌悪した。
 しかしそんなことをストレートには言えないので、今後の対応や処置について医師はなんと言っていたのかを聞いたら、「来週の月曜日に病院に行く」とだけ返答。
 エミリオのいないところで長女に「何かあったらすぐ連絡してくる?メルアドとかSNSのとかを教えてくれる?」と聞いたら、私のは全部知っていて、かつFacebookでは既にお友達にはなっていた(忘れてた)。ただMessengerは繋がっていなかったので、お互いのMessengerに「Hola」を送信しあった。
 ただ、その後遺症みたいなのはあったらしく、足が悪くなり長い距離は歩けないとのことだけど、店から坂下のプラサ・ヌエバ(新公園)周辺ぐらいはOKなようで、「ケン、あの店で食事しよ」って、あの店って何処よ?

カスタニェダ サラダのタパ ハムチーズの盛合せ
 歩き方はゆっくりだけど、ゴメレス坂を登る私のペースよりも早いので、不都合があるのではなく不都合が出ないように留意しながら歩いているように思えた。
 「杖とか使わないの?」
 「杖を使うと、それによって他の手足に負担がかり歩行バランスが悪くなるからしないよ」と。なるほどね。
 昨年も行った、いや以前からも何回か連れていってもらった「あの店」は、Bodega Castañeda(樽酒屋のカスタニェダ)で、歴史ある古いバルで、いつも客で混んでいて日本のガイドブックの常連店だ(のようである)。プラサ・ヌエバの近くにある。
 前回は、私が支払おうと店の古株ウエイターに「エミリオは私の親友で、いつもご馳走になっているので、この支払いは私のカードで支払うので宜しく」と言ったら、「私もエミリオの友達だよ。そしてあんたよりも付き合いが長く、ここではエミリオが払うから大丈夫だよ」。こういう言い方って、スペイン人は粋だよね、感心してしまった。

 元気ではあるが、今年83才になるエミリオは、同年齢時の岳父や伯父と同じような老人の様相を呈していて、私のようなじじーはまだまだひよっこである。
 「Bodega Castañeda」では、珍しく本音みたいなものをいろいろ語っていた。
 癌にかかったのは、コンチの死による精神的ダメージがその要因の一つにある、と言い、また愛煙家の私に、タバコなんて今まで一度も吸ったこともないのに何で癌なの?とこぼす。ケンも肺癌になれよと誘ってのか、とジョークで思った。
 共通の友達については、いつも○×さんはどうしてる?ぐらいにしか話さないのだが、今回はそれなりに突っ込みが入る。
 「Himenoは、奥さんがリハビリしている中だけどグラナダに来る計画があって、娘は結婚して今度出産だよね」と、良く知っているのはFacebookからの情報だろう。それらがクリアーすることを前提に、「いつ来るんだろうか、ケンはいつ頃来ると思う?」などと聞いてきて、私が来ることなんかよりも楽しみにしている様子だった。
 「Rurikoは、何でグラナダに来ないんだ?仕事で忙しいからか?ずっと来ていないよ」などと、私に詰め寄り、もはや突っ込みから愚痴になってきて、「Ruikoは、日本人の中で一番スペイン語が達者だ」と独り言のようにいうので、仕方なく、スペイン語の先生をしているから10日間ぐらいの休暇であっても受け持つクラスのスケジュール調整が難しいのだよ、と勝手に想像して言うが、エミリオは納得していない顔をしていた。
 「Makikoも全然来ないよ、何でなんだろうか?」と、私の所為のように言うが、MakikoってどのMakikoだ?日本人の女友達がやたら多い(男友達は反比例)エミリオからすれば、私の知る限りMakikoは3人もいるけど、話振りからだんなの転勤が多かったMakikoだろう。

グラナダの中心地 グラナダの中心地 グラナダの中心地
 Castañedaでエミリオが頼んだ料理の一つに「Tabla fría de castañeda(タブラ・フリア・デ・カスタニェーダ)」というのがあった。
 冷たい食べ物の盛合せの「タブラス(Tablas)」で、パテやチーズ、ハムなどが山盛りになっていた。バルに行って料理を選ぶのが面倒な時には、まずはこれを頼めば楽でハズレも少ないと思った。
 工房の前で撮った3人の写真だけど、エミリオが妙に痩せているのが気になる。そもそもエミリオは恰幅は良く腹も出ていたよ。