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  1. 再びカタール航空
  2. マヌエル邸初日
  3. コンチの墓参り
  4. エミリオとカスタニェーラへ
  5. 再びゴメレス坂へ
  6. マヌエルの写真学校構想
  7. サンタ・フェ
  8. バル、ディアマンテス
  9. グラナダ中央バス駅
  10. 「ホテル・パラシオ・オニャーテ」
  11. 墓参り
  12. カルメンと生ハムレストラン
  13. 再びゴメレス坂へ
  14. キート夫婦と樽酒場
  15. 詩人カルメン
  16. ルルデのお弁当
  17. グラナダ空港
  18. 羽田第三ターミナル
  19. AirTag
  20. グラナダのお土産




 

コンチの墓参り

 今朝はそれぞれ用事があるので、朝食は自分で作った。とは言っても近所のスーパーで買ってきた生ハムやチーズを冷蔵庫からとり出し、それに適当なパンをトーストしただけだが、昨今の一般的なスペインの朝食ってこんな感じなのかもしれない。
 また写真にあるような日本の醤油さしの容器にはオリーブ油が入っていて、トーストにバターを塗る感覚で、トーストの上にオリーブ油を垂らして食べるのだが、これは伝統的なスペインの食べ方だと思う。ホテルやバルの朝食でも良く見かけるので。

バスカード ヘニル川沿いの終点のバス停 ゴメレス坂
グラナダスの門 霊園前 霊園入り口

 一人でエミリオの所に行くと言ったら、マヌエルが、現金よりもこっちの方が安いよ、とスイカみたいなバス用のカードを貸してくれた。
 マヌエルの家からグラナダ中心街までバスで20分ぐらいだけど、バス停はヘニル川の横なので低地にある。エミリオの店はアルハンブラ宮殿への坂の途中にあり、そこまでの道のりは全て上り坂だ。一気に歩くなんて年寄りには愚の骨頂、休み休みゆっくり行ったので30分以上かかった。
 2年振りに会うエミリオだが、体調不要のため長距離を歩けないとのことなので、エミリオの奥さんコンチの墓参りは一人で行くことになった。今回2度目。

 コンチの墓への行き方はとってもシンプルで、ひたすらだんだら坂の一本道を登るだけだ。迷わないのは良いが、言うのは簡単だ。
 エミリオの店の前のゴメレス坂をそのまま登り、アルハンブラ宮殿の正門を過ぎてもまだ登ること一直線、さらにその先の一本道を登り切ったところに大きな墓地がある。エミリオの店からじじーの足で45分、4回ぐらいベンチに座って一服休憩をした。
 途中、売店で水のペットボトルを買ったが、アルハンブラ宮殿の正門前にあったので高いのだろうな、と思っていたら1.7ユーロ(280円)と、空港内のより親切だ。

バスカード ヘニル川沿いの終点のバス停 ゴメレス坂
グラナダスの門 霊園前 霊園入り口

 2年前にエミリオと行ってコンチの墓の前で写真を撮ったのをiPhoneに残しておいたので、すぐに分かると思ったのは、その墓には番号が振ってあったからだ。
 しかし、考えが甘かった。碁盤の目のように、またはドラクエのダンジョンのように墓地が造られているので該当する番号の墓なんて当然見つからず、迷いまくってやっと出口を見つけた時には、墓地内滞在時間が1時間を超えていた。
 仕方がないので、オフィスで聞いた。
 写真に写っているコンチのフルネームを見せたら、すぐにその所在地を教えてくれた。最初からオフィスで聞けば良かったと反省。
 入り口に墓地の案内図があり、オフィスの説明を参照にしながら見てみれば、コンチの墓へのルートは、なんとここでも一本道であった。
 墓地内は、それぞれパティオと称するエリアで区画され、その中にセクションというゾーンで区分されていて、コンチの墓は、サン・ホセというパティオの33番セクションにある、ということが分かり、やっと2年ぶりにコンチと再会することができた。
 あの徘徊1時間は、まさに徒労というが、この日の歩数計アプリは15,400を示していた。

 エミリオの店に戻ってきて、みんなでパシャリ。
 「mediodía(メディオディア)」というスペイン語があるが、一般的には正午や昼食時、12時の意味であるが、もう一つの意味として、スペインの昼食タイムである14時を指す、と「ケン、明日のmediodíaに店の前で会おう」と言うエミリオとの会話から分かった。それは、日本で気軽にいう「夕方には行くよ」という夕方が17時~18時を意味するのと似ているかもしれない。
 昼食時間が食後の休憩を含む14時~16時頃とするも、夕食時間は19時とか20時、21時などバラバラであるが、食事内容は正餐と捉える昼食に比べ、むしろ英国のアフタヌーンティに類似しているかもしれない。スペインの場合、飲み物はアルコールとノンアルコールが同一視される中で歓談するので、その夕食は、日本の喫茶店と居酒屋、イタ飯屋が混在している雰囲気がある。

エミリオファミリーと エミリオの土産屋 マヌエルのコロッケ

 ここマヌエルの家での夕食は、独身生活のように仕事風な家事や用事を済ませた後になるのでたいてい21時からが多い。昨夜はマヌエルが作った卵焼きと生ハムコロッケが出て、疲れた私はコーラを飲み、マヌエルはデカいボトルのビールを飲んだ。
 コロッケは「croqueta(クロケータ)」というが音からその語源はフランスっぽい。このクロケータはクリームコロッケで、その中に生ハムが入っていた。日本でコロッケと言えばポテトになり、他にクリームコロッケとかがあるが、クロケータが日本に輸入された時にいろいろ日本風にアレンジされたのだと思う。
 卵焼きの方は、スペイン風オムレツの「tortilla(トルティージャ)」と同じで、ほのかにオリーブ油の風味が漂いザッツ・エスパーニャだ。

 ゴメレス坂にあるエミリオの店は2軒並んでいて、一つは寄せ木細工の工房で、もう一つは土産屋である。その店の看板には「SOUVENIRS VALDIVIESO」とあるのを情けなくも今回初めて気付いた。
 VALDIVIESOは、エミリオの名字だが、SOUVENIRSってスーベニールの英語じゃないかい?小学館の西和辞典で調べてみたら、「(旅行の)みやげ、思い出の品」とあり、語源はフランス語から、とあって、へぇ~。旅の土産って、recuerdo だけじゃなかったのだね。お利口になりました。すぐ忘れるかもしれないけど。
 しかし、スペイン語は日本語と同じく母音が5つしかなく(日本人西語学習者にとって楽だ)、そこから日本のローマ字読みでも通じることが多いので、同じラテン語でもこれらフランス語のcroquetaやsouvenirなどは、少し読み慣れない違和感があり、「croqueta」のパッと見は、クロケータではなくクロケッタと無意識に読んでしまう。