テーブルの上のガラス花瓶に 吾亦紅が咲いている 土曜日の夜のカフェに 人影はなく 髭の濃い店主が 差し口の長いポットから コーヒーに湯を注いでいる
二言三言、店主と 寫真について言葉を交わし 温泉通りに足を出す 天から星が落ちて ころころと転がって行く 温泉通りの夜はこんな風で もうこの異界から 外輪山の外へ 出ることはできない