ヒースがなぜそこにあるのか 聞いてはいけない 馬がそこにいるように 崩れかけた石垣がそこにあるように それはただそこにある
妙に草色の濃い牧草地を抜けて あの丘を登ってみようよ 小雨が止んで虹が見えるかもしれない
でも雨は降り続く 丘の廃屋に入ってきたステーンボック 湿った首に顔をうずめる ヒースや雨や藁の匂いがする こうして私は立ち止まる ヨークシャーの丘の上で ただそこにいる