インドへの電話は 通じるまで波の音がする 「ハロー」 波の音が街の喧騒に変わる
深夜のオフィスの窓に 絶え間なく降る桜
「こっちでは 君の好きな牛が降ってるよ 落下傘をつけて 雨みたいに」 商売の話がまとまった インド人は機嫌がいい
灯りをほとんど消した オフィスの通路を やせたコブ牛が一頭 ゆっくりゆっくり歩いて行く 小さな落下傘を引きずりながら