ほとんど葉を落とした銀杏は ろうそくの骨格で とがった頭の先は天を指す
「大好きな銀杏」と名づけた 大きな銀杏と過ごした季節
また芽の出るころに 私はここで生きているだろうか
年の暮れの挨拶をすると 「大好きな銀杏」は 三十度頭を下げて クツクツと笑った 多分 「だいじょうぶ」 と、言っているのだ