東方の国を飛び立った旅客機は 気流に乗って 北西を目指して流れて行く あまりに流れが強いので 機体は意識を失った彗星のよう
北国の空港で放り出された私は もうこんな邪気を含んだ空を通って 東方へ帰れないことを悟る この町で白い秋の花のように ひそやかに生きていこうかと 空港のカフェで考えている