船はテッサロニキから エーゲ海を進んだ 小島で降りて 六人の大人と二人の子どもで 小さなゴムボートに乗り換えた
アトラス 修道院の建物が点々と 半島にこびりついている 入れない聖域 ボートが半島の付け根の ウラノポリに近づくと 子どもたちは 舳先から海に飛び込んだ 笑いながら泳いで行く さっき見たイルカのように
帰りの海は 波が光を反射して 波頭がひとつずつ 宝石のように光っていた 手をつないでそれを見ていた その時が永遠からの出口だったと 気づきもしないで