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Time To Time 2008-2010 : 36-31
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大 地


目を開けると飛行機は
大地の上を飛んでいた
右方向から
いつまでも沈まない夕陽を浴びて

母鯨のように暖かい機内
窓から見ていた
遠く白く瞬く地上の光
それは鉄道の駅だったり
山羊の鳴く村だったり
石灰岩の石切場だったり
するのだろう

食卓に子どもが初めて一人で採ってきた
リンゴが置いてある
散歩に出た犬が
新しいキノコを見つけて
主人にもどかしげに知らせる
そんな場所のひとつに
私はずっと昔に住んでいたかもしれない
とびきり誰かをいつくしんで

私は口元まで毛布をかぶり
かすかな眠りにつく
母鯨の体内に護られて

飛行場から出たら
いつものキオスクで
黄色いミモザの花を買おう
まるで自分の部屋に飾ろうとしている
帰宅途中の人のように

Time To Time 2008-2010

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