運河も広場も 冬の朝は水浸し
ベネチア この潟の町を脱出し 確かな場所へ行こう
電車はターミナル駅を出て 海に掛かる鉄橋を渡る 果てのないような長い橋
突然の停止 深い霧 見えない海面 蒼ざめた乗客 イタリア語のアナウンスが 分からない
三十分過ぎたころに 分かることがある 何も変わりはしないのだと 確かなものなどどこにも ありはしないのだと
安心して心を閉じる 霧が車内に流れてくる