月が寂しく見えるのは うさぎが住んでいるせい うさぎはひとりぼっちで 誰にも食べてもらえない餅をつく 餅はこぼれて北の国の 吹雪のかけらとなって地に落ちる
満月の夜のうさぎは 少し頭を垂れている 窓から百匹のうさぎが 空を跳んで行く姿を夢みてる ホウホウと つきたての餅を分け合ううさぎたち
でもそんな奇跡は起こらずに うさぎは耳まで垂らしている 灯りを消してカーテン越しに 満月の位置を確かめる うさぎが空から駆け下りてくる まっすぐに この窓に向かって