いつも左側の耳にだけ 水が入るのはなぜだろう 浴室を出て 左足でケンケンするけど 耳は泉を抱え込み あたりは静かな月の夜
部屋中に響くケンケンの音 電話しながら 冷蔵庫を開けながら バスソルトが 鼓膜で濾過されないように
フクロウ時計が夜中を告げるころ ようやく泉は水路を通り 甘く温かい液体が ラミネートの床に落ちる 魚も三匹流れ落ちるが 気づかないふりして 数時間後にしなければならない 返事について 窓から空を見上げて考える
魚が三匹 空を飛んで行く