延長は1回のみの計6ヶ月滞在可のビザでスペインにいたけど、その6ヶ月も過ぎてしまったので、一度海外へと、友人夫婦の住むアムステルダムへ行ったのが1992年の2月、マラガの国際航空から。
今は少しマトモになったけど、当時の税関なんて、日本のパスポートはフリーパスのように開きもせず(つまり入出国スタンプは押さない)赤い表紙だけ見て、どうぞ~、だ。
アムステルダムは日本と同様に真面目なので、アムステルダムからスペイン、マラガに戻る時にはちゃんとパスポートを見て、「これだとスペインに入国できないかもしれない」と言った。確かに半年過ぎた場合のスペインへの再入国は、一度本国の日本に戻ってからでなければならない。こちらで何とかするから大丈夫と言って、出国スタンプを押してもらった。
スペインからの出禁を覚悟してマラガ空港に着陸したが、果たして、税関では、開きもしないでそのまま、「どうぞ~(Venga~)」。この当時のスペインでは、アフリカからの不法就労者や密航の方が問題だったので、アジアの日本なんて意に介しもしなかったという事情もあったかも。
その数年後、仲間と一緒に台湾へ行くことになったが、成田空港で、「有効期限が半年を切っているので、向こうで入国できないかもしれない」と。向こうにいる友達は、来てしまえば、その場でビザを取って大丈夫とか言っていたけど、成田にいる私には分かりません、そんなこと。さすがに台湾だからパスポートを開かずというのはあり得ない。
私だけその便をキャンセルとしたけど、無料で翌日の同時刻の便を予約してくれた。中華航空、謝謝~!
その足で、目黒にある亜東関係協会(台湾の大使館みたいなもの)へ行きビザを発券してもらった。6,000円だったかな。その日はヤケ酒飲んで、その翌日は二日酔いで搭乗。私的で成田空港へ連日行くのって珍しいぞ。シートベルト着用のサインを無視してトイレに駆け込んだが、若かったねー(遠い目)。
この有効期限は、なかなかの要注意だ。勝手に、有効期限の期日までに出国すればOK、と思っていたからだ。
で、昨日パスポートを見たらその有効期限が、今年のNov.とあった。慌ててサイトを確認して、必要書類などをチェックした。
期限10年というのは、その間、めまぐるしく世界情勢が変わっているので、その都度方法が変わっているのだが、この「替わり」は、確実に申請者にとって幸いすぎる進展と言えよう。
昭和にパスポートを申請した方なら、おそらく懐かしさから悔しさか怒りに変わるかもしれない。それほど整える書類などが多く煩雑で、1つでも欠けると「揃えてからまた来てください」になる親方日の丸マル出しの公務員だったからだ。陸運局や郵政省も同じだ。
今、違うね、変わったね。
いつから公務員から見て市民はお客様になったんだ、というぐらい民間レベルと同じになっていて、逆にこちらが恐縮してしまうところ多し。特にWebでの説明が懇切丁寧になり、単に「○×に書いてあります」みたいなクレーマー誘発ワードがないところが素晴らしい。分かりやすいし。
手続きも簡単で、個人情報が変わっていなければ、私の場合は、証明写真と期限の切れるパスポートだけ持参でOKだった。
今回も10年パスポートだけど、これが切れるのは76才、なかなか微妙だね。そこから更に5年パスポート(「10年」とは言わない)が取れるかどうかは神のみの知るところなり。こういう場合、仏は出てこないと思う。
スペインへは、あと2回は確実に行きたい願望大なりき。あわよくば3回目も視野に入れられるかは、元気に古稀を超えた辺りになって分かるところかも。