再会八田與一
高雄7:55発の特急自強号に乗って新営駅に9:01に着いた。バスステーションは駅前ロータリーを渡ったところにあり、烏山頭ダム行きは9:30。小さいバスに乗って30分、烏山頭ダムの入り口脇にあるバス停に着いた。
こんなところへバスや徒歩で来る人はいないのだろう、入り口は高速道路の料金所のようになっていて、こんなところに並ぶのか?だ。車と車に挟まれながら並んで自分の番がやってくると、受付のおねーちゃんが、
「どうしたの・・あなたの車はどこですか?」
「え、車なんてないよ」
「え・・・あれ・・・?」
「バスで来たのだけど・・・」
「あいやー・・なるほど〜」
ま、本当にバスとかで来る人は少ないのだろう。
サイト情報では、入園チケット大人200元(750円)、大型車80元(300円)、小型車50元(180円)、バイク20元(75円)とかになっているのだけど、徒歩の大人は何故か大型車の80元(300円)だった。
車やバイク、またはチャーターしたタクシーとかじゃないので、広大な烏山頭ダムの殆どを1日で見て回るというのは不可能であり、また訪れる時期も5月〜9月は東京の夏日と同じなので難しい。よって今回は夏日なので入り口から近いところだけを改めて訪れた。
 入り口入って右に曲がってすぐにある旧放水口へ行く。途中、公衆トイレがありその横には園内数少ない自動販売機が設置してある。
旧放水口は綺麗にリニューアルされてはいたが放水口間近の両脇の通路は通行禁止になっていた。この日は大放水はなくチョロチョロ〜。聞けば定期的な大放水はなく溜まれば放水とかの不定期とからしい。
一人の男性観光客がいたので、私が入った放水口を撮ってもらおうと声をかけたら、手を横に振りながら日本語で「私、中国語喋れないのです」。あれま、日本人だったのだ。
写真を撮ってもらった後、私は先に上にあがった。道路には黄色いタクシーが停まっていて、うんちゃんが暇を持て余し気味にその回りをブラブラしていたので、おそらくさっきの彼は隆田駅からタクシーをチャーターして来たのだろう。
放水口の上には八田與一とこのダムの歴史館みたいなのがあって、ちゃんとクーラーも効いているので、入ってしっかり見なければならない〜。
引き続きその道をまっすぐまっすぐ×5ぐらい行くと天壇公園とかつり橋があるのだが、その距離を炎天下で往復するのは辛いので、ちょっとまっすぐ行ったところに「土手に上げれ」みたいな標識がある。登ってみると、ダム工事に携わるも不運にて事故等でなくなった人達の慰霊碑がある。八田さん直筆の慰霊文もある。毎年5月上旬、八田與一の誕生日に慰霊祭が行われ、先週のその時の沢山の献花がまだ残っていた。思わず、合掌。
ダムの水面を見るのにはもう一つ土手を登らなければならないのだが、幸運にもその手前には屋根付きの休憩所があった。まだ着いて1時間も経っていないのにもうタオルはグショグショ。しかし高台にあるので気温は32度ぐらいあるけど風があり、日陰にいれさえすれば涼しい。一昔前ならタバコでも取り出して一服でもしていただろう。
ダム水面の右奥に天壇の塔が見えるのだが、どうして北京の塔がここにあるのだろうか、スペインのアルハンブラ宮殿内にカルロス5世宮殿があるのと同様、無粋に感じる。その前に遠すぎるの割愛。そのまま左に行き工事当時に使われたベルギー製のSLまで行き、そこの木陰で休憩。八田さんまでもうちょっと。
その道をちょっと登ると、八田さんがいた。
銅像斬首事件が先月の4月にあったが、慰霊祭に間に合うよう綺麗に修復されていたのは素晴らしいことだ。台湾の人たち、ありがとうございます。
それでもテープが張ってあって近づけない。事情は分かるけど。一応警備テントみたいなのが横にあって、排骨飯弁当を食べているバイト風の警備員あんちゃんがいたので、「ずっと入れないの?」と聞いてみたら、「分からないけど、今のところダメです」だったので、ほとぼりが冷めそうな秋口ぐらいにはツーショット写真が撮れるかもしれない。いや、頼めばツーショット写真ぐらい撮ってくれたかも・・・聞いてみるだけでも良かったと、悔いの残る後のカーニバルだ。
その八田さんの銅像をちょっと超えて行くと烏山頭ホテルの駐車場がすぐにあり、何台かの観光バスが停まっていてが、今日ここで何か催し物とかがあるのだろうか?
エレベーターもできていて、そこから一つ上の建物まで私を運んでくれた。が、ホテルのレストランは先のバスの観光客で埋まっていた。
諦めて坂を下り出口へ向かった。
出口手前を右に折れて行くと、八田與一達の旧家を復元した家屋や映像館、休憩所などのある八田與一記念公園があるのだが、炎天下を500メートル歩かなければならないところにあるので、心してゆかないと途中で干からびてしまう可能性がある。ただ、その公園から出たところに嘉南里というバス停があるので帰りはここからバスに乗るのも良いかもしれない。
因に、その嘉南里バス停と烏山頭ダムバス停を結ぶ道路の名称は「八田路」だった。
休憩所でアイスを食べ、クーラーの効いた映像館でのんびりして休憩する。烏山頭ダムについてから3時間ぐらい経った13時前。
帰りの14:20まで少し時間があったので、外に出て嘉南里バス停前の万屋でペットボトルを新調し、のんびりその店先で涼んでいたら、バスが嘉南里バス停を通りすぎて烏山頭ダムの方に向かっていった。
あれ、ちょっと早くないかい?コピーしてきた各バス会社の時刻表を見たら、ちょっと前の13:10発、善化駅行きがあった。台湾鉄道の時刻表を見ると、この時間、新営駅へ行くよりも善化駅へ行った方が乗り継ぎ良くして高雄までスムーズに行けるのが分かり、慌てて早歩きで烏山頭ダムバス停まで行った。
確認はしいていないが、その八田與一記念公園内の売店、または烏山頭ホテルからタクシーを呼んで貰えるかもしれないと思った。
タクシーは便利だけど、その度ごとにタクシーのうんちゃんを待たせていることに、小市民の私はやや気が引けてしまうところもあるので、好きな時に来て好きに回り、好きな時に駅に戻るのも気が楽で良いかな、と思った次第。
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