ホットドッグ
ホテルの朝食は、いつものリーズナブルホテル同様のメニューだけど、食器が紙製なのがちと寂しいところがあった。しかし、大き目なサイコロぐらいの黄土色のバターみたいなものが幾つか並べてあるお皿があって初めて見た。粥に一つ落として食べてみたら、まさに日本の固めの味噌で美味い。粥にも合う。
おばちゃんに聞いみたら「豆腐瀘(ドウフールー)」と言っていた。
ドウフールーの「ルー」は、「ルーダン(滷蛋)」の「滷」か、と聞いたら、違うと言って指で宙に字を記してくれたのが「瀘」、でもこれは「ルー(lu)」ではなく「(ルィü)」だけど、おばちゃんははっきり「ルー」と言っていた。聞き違いかなぁ。でも、美味かったのには変わりなし。
黒いのは、日本食が台湾食に馴染んだ感じの定番、きゅうりのキュウちゃん。
高雄から台東方面の各駅列車に乗ること1時間、竹田という駅で降りた。
かなり田舎だけど新しく高架線になっていた。台湾鉄道の改革によって新しくもなるも旧駅舎など歴史的建造物をちゃんと残しているので、初めて訪れた私でもどことなく懐かしい親近感を覚えた。
が、何もないのには変わりなく、駅前から1本に伸びた道があり数百メートル先に緑の標識のある交差点が見えたので、そこまで行けば何かあるだろうと暑い直射日光の中、テクテク歩いて行った。
熱帯地域の台湾南部とは言え、5月中旬はまだ夏に突入していないので気温は30度ぐらいで風もそれなりにあって良いのだが、いかんせん湿気がダイナマイトだ。やっとたどり着いてみればタオルやシャツなどはビチョビチョ状態。見覚えのあるファミマーがあって、その先にはセブンイレブンもあった。おお、まさにオアシスだ。途中チャーハンやルーロウファン(台湾牛丼)を出す屋台があったけど、こういう場合クーラーの有無が優先される。
台湾経験者ならみんな感じるであろう、台湾のコンビニに入ると必ず強烈な臭いが漂ってくるやつ、茶蛋(お茶で煮出したとかいうゆで卵)である。あまり好きではなかったけど、今回やけくそで食べたら結構美味いj、アリじゃん。台湾食にまた一歩近づくことができた。
他、サンドイッチを食べたが、日本でもあるのだろうかこんなの、パンの枚数が奇数なのである、それも買ってから気付く。ハムと玉子とチーズのサンドイッチと言ったら、それぞれを挟んであるので普通は6枚なのだが、結構4枚なのが多い。つまり、まとめてかぶりつかないと、片面むき出し食べづらいぞ状態に遭遇する。パンは厚いから、その分薄くスライスして偶数にして欲しいと思うのだが、20年ぐらい前からあまり変わっていないので、台湾人はビッグマック風に一気に食べるのが好きなのだろう。
その茶蛋の隣で、フランクフルトが熱せられながら回っている。ホットドッグのようにして食べたいのだが、これの食べ方ではなく注文の仕方が分からなかった。挟むパンとかはその下にビニールに入っているのだが、どうしたら良いのだ?まずお金を払ってから取り掛かるのか、それとも取り掛かってからそれを持ってレジへか?
こういう時に限って店員は若いおねーちゃん一人で忙しそう。仕方がないから、二人の高校生っぽい若者に聞いてみた。なるほど、作ってからそれを持って行けば良いのね。ケチャップや西洋がらしもあって、ナイスの40元(150円)。
ついでにいつものアイスコーヒーも頼むのだが、台湾の場合、これは要注意。
何も言わないと、砂糖とミルクはデフォルトになるのはしょうがないとしても、「ブラックでね」と強調して言っても砂糖とミルクが入っている可能性は63%(当社経験から)。
できあがったのを店員が持ってきても、それを受け取る前に「砂糖は入っていないよね、ミルクも入っていないよね」との確認は必須。
わがままなオヤジ外国人だな、と思うも、現地の人達に迷惑をかけているわけではないので没問題〜。
アイスコーヒーを飲みながらサンドイッチとホットドッグをコンビニ内のテーブルコーナーで食べるのもなかなか良いもんだ。こういうのを外国に行ってまでするものか?と思うも、いざやってみると、なんか日本が懐かしくノスタルジックでなかなか良いもんだ。
ふと見てみると、そのコンビニテーブルコーナーは室内と屋外に設置されていて、地元の人達はなぜか表のテーブルに座って憩いをしていた。日陰とは言え暑くないのか、湿気は大丈夫なのか、自然の風があるから室内より良いのか。一昔前ならタバコが吸えるので我慢して外でだったけど、今の私はこれは無理。可能ならクーラーのある場所で、だ。
マイバックの習慣は日本でもあるけど、台湾ではコンビニでも言われ、バッグも何も持たずシャツ一枚で入り、十何種類の品物を買おうとしても「袋子要嗎?(袋は要りますか?)」と言われる。「見て分かんねーのかよ」と思ったりもするが。
時間が来たので駅までまた戻る。一本道の先に駅が見えるこの風景どこかで見た記憶がある。一本道の先に大きな大聖堂が見え、その背景には雪化粧をしたネバタ山脈が横たえていたスペインのアンダルシアの町を思い出した。
これから旧竹田駅舎に隣接する池上文庫という建物へ行き、そこの役員の方々とお会いすることになっている。昔の方々なので私より日本語が堪能だと思われる。
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