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烏山頭ダムへ/往烏山頭水庫
 

烏山頭ダムへ/到烏山頭水庫
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烏山頭ダムへ

 日本が台湾を統治していた時代、荒れ果てた広大な嘉南平野を肥沃な大地に変えるが為に東洋一の巨大なダムを造ったのが、土木技師の八田與一さん。10年の歳月を経て1930年に完成。
 そのダムが烏山頭(うさんとう)ダムで、嘉義と台南の中間あたりにあり、台北からだいたい300km、東京〜浜名湖ぐらいの距離だ。
 最初は電車に乗って行こうとして調べてみた。
 新幹線が速いけど在来線の駅と離れていて便が悪く、在来線の特急「自強号」に乗って行くのが面倒がない。嘉義駅とかで各駅列車に乗り換えて隆田駅で下車し、往復700元(2,400円)ぐらいのタクシーで行く・・・と思っていたら、台北在住の友達と一緒に車でゆくことになった。
 高雄までの高速道路ができ、烏山頭という出口で降りたらダムの入口まで数分もかからなかった。台北から3時間半ぐらい。

慰霊碑慰霊碑 入場料200元(680円)を払って中に入るも良く分からず標識を頼りに進んだら行き止まりになった。そこからダム湖面への坂があり、その反対側の奥まったところに慰霊碑があった。
 慰霊碑には建設中に亡くなった方々の名前がその順番で刻印されていた。正面には八田さんの辞もあったが、句読点がなく日本語も少しおかしいので、後に日本語のできる台湾人が書き写したのを見ながら刻印したように見受けられ、逆に八田さんを偲ぶ台湾人の親愛を感じた。
 奥まった目立たないところにあるが、是非訪れるべく場所の一つである。

 坂を登ってみれば、一面に広がるダムの湖面を見渡せた。とは言っても見えているのはダム胡全体の1/3ぐらいだ。
 烏山頭ダムは亜熱帯に近い台南付近にあり、かつ7月中旬なので軽く気温35度ぐらいあり湿気も100%だ。思わず「こんちくしょー」と叫びたくなるようなウダる暑さで、炎天下の湖畔歩道を1kmも歩く事ができなかった。写真で見ると、穏やかな陽射しの中の烏山頭ダムに見えるのだけどね。

烏山頭ダム烏山頭ダム烏山頭ダム
烏山頭ダム烏山頭ダム烏山頭ダム
 殆どの日本人は八田與一さんの名前さえも知らない。当然、私も知らなかった。
 当時の統治植民地での事柄には敗戦国の日本故、あまり語りたがらないのかもしれない。しかし、台湾の小学校とかの歴史の教科書にはダム建設の業績が載っている。つまり日本人の誰も知らない一人の日本人を殆どの台湾人が知っているという不思議な現象がここにあった。

 毎年、命日の5月8日には慰霊祭が行われるその八田與一さんの銅像は、この坂を上がったところから300mぐらい歩いたところにあった。
 来る前にサイトなどの映像や写真を見知ってはいたが、実際その銅像が目の前に現れた時には、ちょっとグッと来るものがあった。八田さん、やっと来たよ、って感じだ。銅像の後ろには奥さんの外代樹(とよき)さんと一緒のお墓もあった。
 銅像の前で合掌し、八田さんの右手の下にクモの巣があったのでそれを払いのけ、老朋友のはんちゃんとツーショットでパシャリ〜。

八田與一さんの銅像八田與一さんの銅像八田與一さんの銅像
 ダムと言うと黒部ダムのように山奥にあり、高低差何十メートルのところから湖水を放流するイメージがあるが、この烏山頭ダムは、東京の狭山湖みたいな丘陵にある感じであまり高低差もないし、どれがダム壁なのかが分からない。しかし、その送水口から出る水の勢いはジェット気流のようで、その轟音と濁流はすさまじく壮観でもあるが目の前まで近寄れるので怖いぞ〜。ただ、写真とかで見ると、チョロチョロとかしか出ていなかったのもあるので、たまたま運良く大放流が見られたのかもしれない。
 映画「KANO」のロケ地にもなったので、その記念の垂れ幕や看板がそのままになっている。横には八田與一記念館があり、八田さんの遺品や写真、資料など貴重なものを見ることができる。
 この時、盛況な「KANO」はアンコール上映をやっていて、今回、烏山頭ダムと併せて見ようと思ったら、はんちゃんが「金門島でやっているよ・・」。き、金門島っすか・・昔で言えば台湾の38度線風だ。さすがに金門島の日帰りは辛いので、DVDが発売されるだろう来年まで我慢することにした。

ダム送水口ダム送水口ダム送水口
ダム送水口ダム送水口ダム送水口
 敷地内に新たに八田記念公園ができ、そこに、八田さんが住んでいた家屋が修復されて鎮座していたり、記念館や売店などが新たに建てられていて、その八田邸の庭に、子供を抱いた外代樹夫人の銅像もあった。
 この日は平日の水曜日だったけど、近所の子供たちが数人いただけで誰もいなかった。日本のガイドブックに載っていない、と聞いたけど、予備知識なしでここに来て、チョロチョロの送水口を見たら詰まらない場所になるかもしれず、団体ツアー旅行とかだと難しいかもしれないだろうね。
 youtubeとかで台南市長が、台南を訪れる方々が必ず立ち寄る場所にしたい、と言っていたけど、それなら台南新幹線駅からこの烏山頭ダムまでのバスを設けて欲しいなぁ。新幹線到着時間に合わせて午前と夕方にそれぞれ3便ずつとか。でないと、外国人観光客にとって、ここに来るのはとても大変だからだ。
八田記念公園の売店八田邸外代樹夫人の銅像
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