平静部落
台湾には幾つかの少数民族があり、それぞれの舞踊を競う大会があるそうだ。
その大会出場が授業の一環になっていて張ママが教えるというので以前に連れていってもらった平静部落の小学校へ行く。
バスは春陽部落の先にある廬山または廬山温泉で行き止まりだけど、その廬山からさらに奥に進むと平静部落がある。バス便もないトンでもない山奥だ。
平静部落は、春陽部落と同じ賽徳克族の村らしい。
聞けば、平静部落が最初からあり、日本統治時代に許可を得て春陽部落も賽徳克族のものになり、当時は春陽部落は桜村と呼ばれていて村全体が桜に包まれて綺麗だそうだ。ふーん。是非春先に再訪したいね。
ということで、のどかな春陽部落よりももっとのどかな平静部落の小学校に行ってみた。入り口には「南投県仁愛郷 平静国民小学校」と看板が出ていた。
見覚えのある校長先生や他の先生などがいて、ご挨拶のところでチャイムが鳴って昼休み。
タイミング悪い時に来てしまったかな、と思っていたら「どうぞどうぞ、一緒に食べませんか」。
おお、小学校の給食を食べるなんて日本だってそうそう機会がないぞ。っつーか、日本じゃ部外者自体NGだ。でも、ここは南投県。台中同様、塩っけも味もない食べ物ばかりだったらどうしよう?「塩がありますか」なんて言えないよなぁ。
それぞれの食材を入れた大鍋が幾つか出てきて、登山のようなコッフェルにそれぞれが盛って食べる。たいていはゴハンの上におかずを乗せ、お代わりは自由。
どれもこれも塩味が効いていて美味い、感動の涙だ。
ハムとタマネギの炒め物、甘辛の豚コマ煮、玉子スープなど、どれもこれも私好みの味付け。台湾に来て久しぶりに美味いものに出会い、3杯もお代わりをしてしまった。
教員達の給食等は国から援助があり、その調理師なども国が手配していると、台湾文部省的な観点から先生が説明してくれた、というのをはんちゃんが訳してくれた。こんな説明、今の私のレベルじゃ聞き取れませんって。
民族伝統継承は何も舞踊だけではなく竹笛もその一つで、細工した竹ベラの先に紐を付け、竹をくわえながらその紐を引っ張りながら音を出すという楽器。
張ママに一つ貰ったのがあるけど、なかなか上手く鳴らない。
教科担任が、そんな竹笛を作る授業が午後からあるのだけど見学して行きませんか?
うへー、すげー嬉しい貴重な体験だ。
竹笛を作る、という明確な課題でもって彫刻刀などの使い方を学ぶのだろう。
できてしまった子供は寝ていたり適当に遊んだりしているけど、作成中はみな真面目に先生に聞いたりしていて真剣だ。
男の子は黄土色、女の子は紺色が制服だけど、私服になってしまうとどっから見ても日本の子供たちと同じ顔つきで、日本人のルーツの経路には必ずやこの少数民族を通っているに違いないと、いつも確信している。
授業中に子供と一緒に記念撮影なんぞを撮ってしまって、先生、済みませんでした。
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