ヘイ、ドクタ〜!
最初にメキシコで死者が出た豚ウィルスは、新型インフルエンザと改名し世界に広がって行く。2009年4月中旬の話。
GWの航空チケットは異常高騰し、出発がGW後半で帰国がGW明けになると超激安になる摩訶不思議な現象があって、日本の七不思議の一つかもしれない。
そんな中、新型ウィルスは世界を席巻するがごとく広がってゆき、日本に入ってくるのもカウントダウン状態。主にメキシコ、アメリカ滞在、または経由が感染率が高いと言われているが、台湾往復激安18,000円航空チケットは魅力満載だ。
それでもアメリカやメキシコに行く観光客が沢山いて日本人はたくましいのだ。幸い台湾は感染者ゼロ。
外務省から渡航自粛勧告が出ていないので、台湾行はカウントダウン状態。
渡航前に昨年の肺炎などで世話になっている主治医の病院へ薬をもらいにゆく。
運良く、海外で水や食事に当たったことがない。ゲリピ〜は毎度だけどこれは単に酒の飲み過ぎで国内でも同様だ。 というところでの風邪薬をもらうだけ。
それでも新型ウィルスのは無理としてもワクチンが既存している香港HIV型、ソ連KGB型、SARS、おっと鳥インフルエンザなどの予防接種を受けておこうと申し出たら「そんなの今はありません〜!」と婦長が言い切った。
「なんか無いの?」
「そういうのは季節モンだから冬とかにならないとないのよ、ナカジマさん〜」
「季節モノって初ガツオとかマツタケみたいじゃん、昨今のご時世、なんでないの?」
「どっか行くんですか?」
「台湾行くんだけど、感染しちまったのならなら諦めるけど間違えられて不要な拘束を避けたいんだけど・・」
急に婦長が小声になって「うちのセンセもGWに台湾へ行ってきたんですよ」
「・・はぁ〜?!」
受付にそのセンセが入ってきて婦長から聞いたのか大きな声で「なんだ、ナカジマさんも台湾へ行くんだ、私も数日前に行ってきたよ。日月潭だけどとても良かったよ。また行きたいねぇ」
と診療で忙しいのに待合ロビーのベンチに座る私の横に座って話しかけてきた。
「例のインフルエンザ、大丈夫でしたか?」
「ぜーんぜん、問題なし、台湾関係ないよ、大丈夫!!」
台湾のことやセンセが好きな写真の話などをしていると遠くから「センセイ〜、レントゲンの準備ができましたよ〜」と看護婦の大きな声。
「ナカジマさん、ちょっと待っていてね、見て欲しいものがあるから」
すると受付から「ナカジマさん、前回の風邪薬は解熱と怠さを抑える薬だけだったけど咳止めとかはどうしますか?」
おお、ドミノピザのトッピングみたいじゃないかい
「復路の成田で飲み過ぎと煙草の吸いすぎで咳き込んで誤解されたくないから大盛りで宜しく〜」
薬をもらって精算していたらセンセが戻ってきて「ナカジマさん、こっちこっち・・」と呼ばれて開けたドアには「診察室3」とあった。
入ったらおばーちゃんが口にチューブをくわえながらスーハースーハーと咽の治療をしていて、その上に数枚四つ切りの日月潭の額が飾られていて「これは○×山でねぇ・・」
いーのかよ、患者が治療しているところに他人(私)が入って???
でも写真を見てつい「おお、この写真は良いねぇ、フレーミングが決まっていますよ。こちらのはありがちで時間も単に朝、こういうのはそれなりに天候と時間をみないとねぇ」、そのばーちゃんびっくりして振り向いた。
そりゃぁ振り向くでしょ。私だって振り向きます。
でもセンセは動ぜず「あ、大丈夫、この人はプロカメラマンだから・・」、いや、そういう大丈夫じゃないと思うけどな。
「じゃ、気をつけて台湾に行ってきてね。今度撮影指導で一緒に行こうか」とか言ってセンセは他の診察室へ消えて行った。
数日前に帰ってきて連休明けの今日から診察であちらこちらの患者さん達を診みている・・・、とてもじゃないけど「潜伏期間とかは大丈夫なんですか?」は怖くて聞けなかった。
でも、帰国して発熱してもここなら安心?して診てもらえるだろう・・。
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台北滞在中、中国でも!という報道があったけど、アメリカ〜成田経由のメキシコ人が中国の空港でひっかかった。それで中国にポイント1は可哀想な気もした。
で、台北→成田はどうなるのだろうか?
成田到着すぐさま白装束数人が機内に入って乗客それぞれにチェック・・と思っていたが、 スッチャーから機内で1枚の黄色い紙を渡されただけ。
・今回の渡航にてアメリカ、メキシコに行きましたか?
・今回の渡航にてアメリカ、メキシコを経由しましたか?
・発熱や咳などはありますか?
の3つのアンケートに答えて終わり。
マスクをしている乗客は1/5ぐらいだからそれなりに目立つも、普段のいつもの通りの入国審査だけで終わり。
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