深夜残業のオフィスには 冬の冷たい月や星が降っている
モスクワ向けのメールは いつまで経っても届かない
廊下を歩くひそやかな足音 向かいのデスクで書類をめくる音 たくさんの影が揺れる 落ちて来る星のなかに それは遠い昔に働いていた魂
私は蒼く賑やかなオフィスで ひとり深夜に届かないメールを打つ