北投石
叔父は10何年か前に胃ガンにかかり胃を除去してしまい、その関係から秋田の玉川温泉やラジウム温泉、そして北投石なる言葉を知った。
その玉川温泉は癌に効果があるとか言ってかなり有名な場所になっているらしく、そしてその温泉にあるラジウム鉱石は世界に3ヶ所しかなく、その玉川温泉とメキシコ(今は枯渇してしまったらしい)、そして台湾の北投温泉とのこと。
いずれも天然記念物とかで採取禁止となり、現存するのは禁止前に採取したその鉱石だけみたいで、台湾のは北投石と呼ばれている。売っているその鉱石自体、真偽が問われたりもしているが、計測器を当てて数値が出れば本物と判断されている。
叔父曰く、医師に見放されるぐらいの癌進行の状態とかだと完治は難しく余命が少し延びたぐらいとのこと。ただ、軽度の癌の人がこの玉川温泉にて湯治したら完治したという話は幾つか聞いたが、この湯治が直接な原因かどうかは分からない。しかし、癌となればワラをもつかむのが通常なので、ちょっとした噂であっても私がそういう状況になればそれを信じて行ってしまうこと間違いなし。
ただ癌の予防等を含め、「温泉は健康に良い」がそのまま通じ、ラジウム鉱石を身に付けていれば、常に温泉に入っている状態になる、というのは説得力があり、単純にも信じてしまった私がここにいる。
そんなウンチクを叔父から聞き、叔父と一緒に高雄に行って連れてゆかれた土産屋が北投石専門店で、勧められるままに1つ買ったのが昨年2015年の9月。玉の大きさと数で価格も違い、直径7mmの玉が5個付いたブレスレットをカミさん用に3,000元(10,000円)で買ってきた。確かに計測器を当てると2,000とか2,500とかの数値が表示され、試しに自分でやってみて、かつ他の石に当てると数値はゼロ表示だったので、その計測器を信じない術はなかった。
ずっとハメているカミさんに聞くと、微妙に肩凝りが和らいだ感じがする、とのことで、鰯の頭も信心から的でいーじゃないかい。
今回のホテルは、トラベルコちゃんの指定でホテルランク4以上でヒットした三徳ホテル。その1階に宝石店があり北投石も売っていた。
日本語の上手な店員おばちゃんが2人いていろいろ口上手に勧められるが、北投石なのに計測器を置いてなく、あるのは台湾の会社の保証書だけなので、思いっきりデンジャラスだ。中国だったらその場で再見〜だけど、ここは台湾でありかつ少し上ランクのホテル内の店なので、さすがにニセモノはない、と言い聞かせ、ニセモノだったら次回台湾に来た時に三徳ホテルへ行って暴れようと決意し、同じ7mm玉で全部が北投石のを買った。割引してくれて8,750元(28,200円)だったので、相場からしても少し安かったようだ。
叔父は、計測器を持っている友達がいるので帰国したら計ってもらおう、と言いながら北投石のペンダントを買っていた。胸に当たるから心臓とか肺などに良いようだ。
その北投石を持って台湾食堂「伍柒玖(五七九)」へ行って食事をしていたら、道の向こう側に日本語で「北投石の専門店」と記された店があった。
買った北投石を腕にはめ、冷やかし風に入ったら計測器があったので、「以前、高雄で買った北投石なんだけど計ってみても良いですか」。数秒かかって表示された数値は、3,200・・・おお、本物だ。
これもカミさん用なので、以前買った5個のは私がはめている次第。マウスを駆使した作業をすると良く肩が凝ったものだが、やはり和らいでいるようだ。思い込みと気分は大事だ。
が、アマゾンで見たら測定済みと記してある似たようなのが7,000円ぐらいで売っていて、ええ?見ないようにしよう、あくまでもこれは台湾で買ってきたモノ、ということにしよう、思い込みと気分は大事だ。
ちょこっと北投石についてネットで調べてみると、本物の北投石があるとすれば、普通の人が普通に買える価格ではなく、売っている本物というには、細かい北投石を混ぜた練りもののセラミックであるとのこと。そして、その本物を見極めるのには3種類の放射線の測定が必要らしい。つまり、お店で1台の測定器で測った場合は、本物である可能性がある、ということになる。ま、1万や3万円で買ったものなので、プラシーボ効果は大事である。
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