昼間の光を含んだ海の その続きの気持ちで 窓を開けると私は驚く 闇に落ちる寸前の群青の大気の中で それよりなお暗い表情で 海は全体がひとつの生き物となって 浜辺に向かって泳いで来る 建物の隣の小屋にいる 山羊の鈴の音が警鐘に聞こえて 私は慌てて窓を閉める それでもそらすことのできない心が ガラス越しに海を見ている 何か白いものが落ちて行ったが それが迷い鳥なのか魂なのかが 分からない