午後の静けさは 桃の花が終わりを知る静寂 柿の実が光の中で 重心を落とす静謐 私の瞳はそれを見つめる
夜の静けさは 天空からの伝言 星を思えば 自分の存在は無に等しく それなのにひとつの命の存在を 知らせてくれる
夕刻の静けさは 精霊の無振動の鼓動 部屋に落ちる自分の影が大きくて 風もないのに揺れている それは死に一番近い時間