銀杏の枯葉が降り積む庭を 縦に区切る一本の線 生垣の向こうに消えて行く 細い長虫
それは 季節の終わりの迷い穴か 身体を賭けた実験か やがて来る死への辿りか
それが 心配する父であればと思い 私は声を出す 「お父さん、私は大丈夫だから」
風のない秋の庭に引かれた 一本の線が消えない