【 金ならあるよ 】 2010.1.23 0:14 町の病院へ行く場合、「医者へ行く」または「病院」とかだけど、台湾だと「診所(ザンスゥォ)」。
薬局でもらった薬がなくなり、良くはなっているけどまだ微妙に痛みが残り、かつ週末が近づいていて、はて、どうしたものか?
学校の先生が「歯は良くなりましたか?」
ついでだから「近くに歯医者はないですか」
地図を書いてくれたら、ほんと間近に3軒もあった。
日本大使館同様の交流協会に電話をすれば「台中にある日本語のできる歯医者」を紹介してもらえる可能性が大だけど、その後には「住所を聞いて自力で探して行かなければならない」課題が待っている。
それでもあるのなら、とても心強いけど、週末間近なので取り敢えず「遠い親戚ならまずは近くの赤の他人」を選択してみた。
休み時間を利用してちょっと行ってみた。
写真で見ると、ショボい歯科医院に見えるけど、中はモダンな日本同様の院内だ。
日本だと東京と言っても青山や六本木、北千住、田端などいろいろなエリアがあるけれど、たいていの台湾の町並みって、どこに行っても同じだから飽きてしまうくらい、写真のようなこんな感じだ。
周先生の「周牙醫」、基本的にナースも先生も親切で良かった。
「今、パスポートがない外国人だけど診てくる?」
ナースが「チェンバォはありますか?」と聞いてくる。
チェンバォと言えば、銭包の「財布」しか知らないから、金のない放浪不良外国人に見られないようにポケットからお札を出したら「いや、そうじゃなくてチェンバォは?」
「言っている意味が分からないけど、そのチェンバォがないとダメ?」
「いえ、大丈夫ですよ。どうしましたか」
事情を説明して、今忙しいから1時間後に来るけど良い?
「良いですよ」
教室に戻って先生に聞いたらチェンバォは財布のqianbaoじゃなくてjianbao、つまり「健保」の健康保険のこと。
台湾に限らないけど、中国語自体には日本語のような濁音がないので、その発音自体が合っていれば・・結局は日本人にとって「 j 」は「チ」に聞こえることが多い。
四声も大事だけど、このチとジが同じに聞こえるのが今の一番のネックだ。
ま、四声で聞き分けられるほどレベルがないのもあるけど。
授業が終って再訪。
何故か日本の国民健康保険証を持っていたのでダメ元で見せてみたら「OK」、おおお・・・でも治療費は非加入者モードだと思うけど。
ナースはその保険証を見ながら新規カルテに記入している。
台湾もそうだけど日本も年号が「平成」とかだから、生年月日や公付日をその都度説明しなければならない。
診察台は日本と同じで綺麗だ。
歯を削るL字工具で口腔内をチェックしようとしている。
いきなり削られるのか。なんで?
でも先端が光っている。あちらこちらの歯に当ててボタンを押すと、目の前のモニターに、****.bmpとかが表示される。
症状を説明したのに、なんで関係のない歯の画像を撮るのだ?
先生は、日本語と英語が少しできるけど、とてもじゃないけど会話にはならない程度だ。当たり前だけど。
こちらが新たに覚えたのは「抜く」と「注射」。
言葉が通じないので先生はジェスチャーで説明してくれる。かなり昔のNHK「ジェスチャー」を思い出した。司会は柳家金語楼だった。
その先生の名演風なジェスチャーを解釈すると「歯茎の間に器具を突っ込んで膿をとり出して掃除すると早く良くなる」・・わお〜!
「抜くの?」
「抜かないよ」
「注射する?」
「しないよ」
「どうすんの?」
やっと「膿が溜まった炎症は薬で治すよ」
変なジェスチャーしないで、それを最初に言ってよ〜。
保険が利かないから、一体幾らするのだろうか?ふとポケットをまさぐったら700元しかない。
ビビりまくっている時のヒアリングはかなり低下するもんだ、ナースが「300ユェン〜」
「は?日本円の300円?安いぞ!」
「違います、300ユェン〜」
「だから幾ら?」
「300ユェン〜」
「もしかして、300クァイ?」
「そうそう!」
台中に来て初めて正式風な通貨単位を聞いた。
薬をもらうが、どことなく半分ぐらいかな、先日の薬局で買ったのと似ている。
「痛みが引かなかったら、また週明けに来ても良い?」
「また薬あげるからね」
「酒を飲んでいる時に薬を飲んでも良い?」というのをまたまた聞くのを忘れた。
何にしろ、台湾の歯医者へ行ったのは貴重な経験だ、と思うことにしよう。