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隔月誌「築地物語」 No.57 1999.3 掲載 世界の市場特集
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南シナ海に面した香港には7つの市場があり、その中で2番目に大きい長沙湾(チェンサーワン)魚市場に行ってきた。
セリをする所と岸壁の荷揚げする所は壁で仕切られていて、荷揚げされた魚は篭に入れられ、それぞれ重さを測り、ベルトコンベアーで壁の向こうの競り場に運ばれる仕組みになっている。 荷揚げする所へは許可がないと行かれないのだが、公正をきするが為の計量からだと思う。重さの単位は、尺貫法の「斤」を使っていた。
この日は悪天候だったのか船も少なく魚も小さいのが多かった。セリが終わるとすぐ、この仕事は女性が担当するのか、それぞれがその場でまな板と包丁を持ち出してきて、あちらこちらでセリ落とした魚の解体を始めていた。胴体はツミレ(魚旦/イーダン)などにし、頭部は養殖魚や鴨の飼料にするらしい。 しかし、香港の市場にしては、こじんまりしていたのは、市場によって扱う魚が違うのだろうか?レストランなどで見かける生きたエビとかアワビは何処から来るのか?そんな事などを現場で聞こうとしたのだが淡白な返答が多かった。忙しい仕事中に、突然怪しげな外国人が場違い的にカメラを持って近寄ってくれば、誰だってうさん臭いと思ったにちがいない。 香港市場の謎は続く・・・
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