天の恵みのような秋の日 港の廃駅に座っていた 陽が傾いて 石畳に自分の影が伸びるころ 仕事を終えたタグボートが 2隻港に戻って来た
立ち上がった私の影は 石畳の上で伸びをしたり ケンケンしてみたりした 湾岸警備の見張り塔から 踊る私を見ているかもしれない でもそんなことどうでもいいのだ 今日はこんな風にして ずれかけた自分の影を 元に戻して 心の形を確認するのだ