なんだ、このパスポートの写真は?!
どう見ても、極悪囚人か殺人鬼だ。これに比べたらテロリストだって天使に見えてしまう。
まさに 「指名手配」.
「よく、こんなパスポートの写真で日本に入国できたねぇ?」
「そうなんだよ、どこに行っても税関で止められるんだ、カバンを開けろってね」
「へぇ〜」
「マドリッドだって、他のスペイン人はパスポートもろくに見ずスルーなのに、オレだけ必ず止められる」
「だよねぇ、これじゃなぁ・・」
「今回だって、『シンコンリョコウデ、ニホンニキマシタ、カノジョガ、ボクノツマデス』と日本語で言っているのに、とにもかくも『かばんを開けてください』だもんなー。もう慣れたけど」
「私が税関職員でもそうするだろうな」
こんな写真でパスポートを発行したスペイン外務省、勇気あるなぁ。
結婚式二次会、左から
イサベル、サンジョ、ロサーナ、ロベルト
彼、サンジョは、以前我が家の近くに住んでいた若いスペイン人夫婦、イサベルとロベルトの同じブルゴスの友人である。
初めて彼と会ったのは、娘の初海外及び初スペインの1999年暮のマドリッドでだ。
日本人狙いの首絞め強盗が頻発し始めていた頃で、娘とカミさんを連れてのマドリッド滞在なんて1秒でも早くアンダルシアに出発したいと思っていたところに、イサベルとロベルトが「それじゃマドリッドまで会いに行くよ」。当然私にではなく、カミさんと娘へに会う為だ。親切だなぁ、スペイン人。
車で3時間をかけてやってきて5年振りの再会。一緒にボディーガード風についてきたのがサンジョで、最初、脱獄囚かゴリラかと思った。
ブルゴスの合気道道場でロベルトと知りあったそうで、そこから2度に渡り数ヶ月間日本の道場に留学していたらしい。だから日本語や日本自体を少し理解していた。
後年、サンジョから日本に来るよ、との連絡があり、2年ごとにやってくるサンジョといつも東京で会っている。
携帯の待ち受け画面。
フセインに似ていないか? サンジョの名前は「ホセ」というのだけど、当人「ホセ・サン・ホセ」というのがマヌケっぽく感じ、ちょうど日本の家電製品メーカー「サンヨー(SANYO)」が気に入り、それからずっと通称「Sanyo(スペイン読みではサンジョ)」を通していたけど、何やら正式に変えたいらしい、というのが数年前。
いくら何でもよほどの理由がない限り、名前は変えられないのが通常と思っていたら、大した理由ではないにしろ何回ものサンジョからの申請に根負けし「それなら、そういう名前が存在しているのかどうか証明してくれ」と市役所から言われたらしい。
yahooで検索してあげたら、唯一「頼 山陽(らい さんよう)」という人が出てきた。江戸時代後期の漢学者、らしい。探せばあるもんだな。
サンジョに教え、そのまま市役所に申請したら正式に「SANYO」と名前変更ができてしまった。再婚を認めぬカトリックの国にしては、かなりおおらかだ。
今回3回目の再会は、サンジョの新婚旅行。新婚旅行で日本にというのは嬉しい限りだ。
いつもの京成上野駅にて、サンジョと奥さんのロサーナを出迎えた。