歩いてグラナダのアルハンブラに行くのなら、必ず通らなくてはならないと言っても過言じゃないのがゴメレス坂である。
その両側には沢山のお土産屋さんが並んでいて、特にグラナダ名産の寄せ木細工(タラセア)の工芸品屋が目立つ。少し登っていった左側に日本語で書かれた貼紙がしてある寄せ木細工のお店があるので、つい入ってしまうのが日本人だと思う。少なくとも私はそうだった。
主人が日本語が喋る訳ではないが、日本贔屓で沢山の日本人の友達がいるとの事。1991年マラガに住んでいた頃、隔週で通っていたグラナダで見付けたのがこのお店。
そんな訳で、日本人には優しくて親切なので、翌日が平日でグラナダに滞在予定があるのなら、きちっと梱包してくれて代わりに郵便局まで行っての配送手続きをしてくれるのが嬉しいじゃありませんか。
海外で大きな買い物をしてそれを郵送する時に一番困るのが梱包とその郵送手続きである。それを手数料なしでやってくれるなんてサービスの中のサービスと賛えたい。
ま、そんなんでグラナダに行く時には寄るようになって友達になった。彼の名前はエミリオ。後で分かった事だが、私の日本の友達の知合いだった。世の中狭い。
寄せ木細工と言えばモノトーン調の箱根のが有名だが、こちらはカラフルでアラビア風。白いのは闘牛で死んだ牛の骨だそうだ。象牙とかじゃないのか?と聞いたら「おい、牛の骨に誰が金を払うか」。
制作方法は割愛するが、ギターのサウンドホールの周りの模様も寄せ木細工。マッチ箱から宝石箱、コースター、額、お盆、椅子、机とか様々な工芸品になっていて、バルセロナ、グラナダ、空港などのデパートやお土産屋さんでも売っているのだが、数も種類もほんの少しだけなので、グラナダ周辺だけにしかいない貴重な職人芸じゃないかと思っている。
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1996.12.31 |
アルハンブラの駐車場が大きくなり場所も変わったので狭いゴメレス坂をでっかい観光バスがひっきりなしに通る事もなくなり静かになった。その分客が遠のいたのか、景気が悪いとぼやいているのは仕方がないが、空気が綺麗になり静かなのんびりとした坂を登るのは気持が良いのだ。ちょっとその先の門にいつもいたジブシーのおばさん衆も新しい駐車場に移動したので、いきなり花束渡されて金銭請求される嫌な思いをされなくて済んだだけでも良かったと思う。
日本でのスペインフェアでも招待されて日本にも来たことがあり、その時の写真なんかも見せてくれるから楽しい。拙写真集「MY COMAPNY」も置いてくれているそうだ。
「VAMOS(バモス)」と云う宮崎イベロアメリカ国際交流協会があり、エミリオはスペイン支部長。で、その日本語の名刺も作っているので立派な日本フリークと言えよう。
出産祝いで可愛い子供服を貰ったのだが、まだ満足なお礼をしていない・・・不義理じゃ |