1983年は写真学校を修了し、一つの恋も終了し、フリーカメラマンの事務所にアシスタントとして就職した年だ。就職って言っても助手だから人権のない半社会人の丁稚だ。良い先生だったけど拘束は長い。
やることないから、仕事が終わると、事務所のある早稲田から池袋まで写真撮りながらテクテクと歩いてゆくのが日課だった。夜遅くなるとストロボ一発のスナップばかり。
助手をしていてどうやってフリーランスとして独り立ちするのかが全然分からず、日々先生のテクニックを盗むことに終始しながら暇つぶしにスナップしていたその年に「おしん」が始まり、ちらりと見たところでは、おしんってオレみたいだな、と何度共有したことか。全部見てないけど。
少なくとも1983年は私にとって一番の激動の年だったと言えるかも。
で、スキャンしていると最初の2つの写真のように青い斑点が顕在し、なに?と思えば、スクイズした時の残滴がそのまま乳剤面に付着していたところだけど、たいていはキャビネのプルーフプリントをしているのだがそれらはなかった。カラーモードでスキャンすると出現するものなのか。
あれ、もしかして、こんなのを最後にモノクロプリントした2015年ぐらいまでスキャンし続けるの?終活とかこれらスキャンとかって、自分の人生を振り返ること、私だと写真を介してとかになるのだろうか。
主観だけど70代になってからこれをやると辛いかもしれず、60代前半で良かったかもしれない。60代前半なら最後にもう1回、新たな何かに取り組めることもできるかもしれないからだ。70代だと、これの延長線上に何かもう1回とかになると思う。
その1回は、ちょっと始めてみました、という意味ではないが、たぶん何もせずそのまま流れ朽ち果てるのが私だけど、その可能性を持ちながらラストまで行くのが良いのかも。
ま、なにはともあれ、このスキャンを終わらせようね、だ。今年のクリスマスには終わったら良い。





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