星の王子様

 その御代田からの帰りの関越で立ち寄ったのが寄居PA(パーキングエリア)だったが、全体的になんか欧州のボッカ的な建物になっていて、ちょっとお洒落。レストランとかもそれなりにデコレートされていて、PAじゃなければワインでも頼んで食事すっか、みたいな雰囲気があった。
 ま、寄居だから周辺それほど名産はないので、売店の半分はサン・テグジュペリの『星の王子様』コーナーで占め、いろいろなグッズに限らず関連書籍もあり、大げさに言えばミニ星の王子様博物館になっていた。
 『星の王子様』は本当に謎を秘めたような筆致の名作を超えた迷作じゃないかと思ってしまう。
 私ぐらいの世代だと中学校の教科書に出てきて、一通り読んでみて、ふぅーん、ぐらい。
 宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』や松本零士の『銀河鉄道999』を知り、これら星の王子様からかな、などと思ってしまう。
 その後、何気に大学生辺りに読んでみて、数年後フリーになって暇な時にまた読んで、ほぉ〜、あれ、なるほど、そうかも、みたいな印象を受ける。その1年後ぐらいにスペインの語学学校にて読まされ、最後は感動して泣いてしまった。読み込んで行くと、交響曲のように第四楽章で構成されている観がする。
 帰国して改めて読んで、本当に迷作じゃなくて名作だなぁ、と思のは、読む度に印象が変わることで、その時の読み手の年齢と社会的立場境遇によってそれが変わるからだ。大人になってから読むと、あれ、試されている?になったりもする。
 拙い語学力で読んだ星の王子様だけど、「バケツをひっくり返したように無数の星がきらめいていた」とかがあって、日本語の「バケツ」だと、普通に家にあるようなバケツを脳裏に浮かび上がり、その言葉から派生するモノが止まってしまったのだが、外国語だと単に意味ぐらいにしか捉えないので、「バケツをひっくりかえした」ような無数の星のきらめきを何となく共有することができた。
 とすると、日本人作家がオリジナルとしてこの表現をすると、日本人に合ったもっと別なレトリックがあったのではないかと、勝手に思った。こういう表現の翻訳って難しいのかも。

 星の王子様のイラストの小皿とかがあって欲しいな、と思ったが、ま、次回かな、に留まった。
 ただ、グッズの種類形態としては、もうちょっと予算をかけてちゃんとしたものを作って欲しかったな、と思う寄居PAのそのコーナーだ。
 20年くらいまで、フランスのシャルルドゴール空港にその星の王子様コーナーが小さくもあったのだが、これがもうどのグッズを見ても、可愛いくキッチュでスペイン語ならカリーニョで、全部買ってこようかと思ってしまうくらいの素晴らしいデザインのばかりであった。缶ペンケースとミニチュア、ノートセット、シールなどを買ってきたが、その寄居PAのは、そこそこ頑張っているのだが、デザインした人があまり星の王子様に思い入れはなく、仕事として頑張ったぐらいのものが多い観がした。
 星の王子様のイラストがなければ、100円ショップで見かけるモノも少なくなかった。
 昨年暮れに娘がフランスに行った時には、そんなコーナーはなかったよ、と言っていたのが残念。

 サン・テグジュペリは、飛行機事故で地中海に墜落したとあり、昨今その飛行機が見つかったとのニュースを聞いた事がある。遺体は見つかっていないみたいだ。
 『星の王子様』は大作ではなく、ほんの100ページぐらいなので、1〜2時間で読み終えてしまうが、そこにトラップがある。先があるからいろいろな読後の印象を受理できる楽しみがあるが、60歳を超えて読むとどうなるのだろうか、という悪魔の囁きがあって、単に終活の促進剤になったりするのが恐かったりもする。

 ところで無味乾燥とした道路公団の設置したPAも、昨今はそれぞれ個性をもってアピールしていて、その発端は、関東以北で言えば、上り蓮田PAの鬼平をイメージした江戸村風のところだと思う。そして、それに付随して道の駅風になっている多様的な楽しいPAが目立ってきた。
 ただ、こういうテーマパークならぬテーマPAは何故か上りに多い。下りは質実剛健。復路はそれどこじゃなくてとにもかくも目的地?で、帰りは、そんな観光に堪能しながらかつ相乗効果的にこんなPAはどうざんしょ?という感じなのだろうか。
 少なくとも、次回寄居PAに立ち寄る楽しみができた。
 

Leave a Comment


NOTE - You can use these HTML tags and attributes:
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください