長い一日:その2

 バーちゃんの施設から携帯に電話があって、でてみれば、やたら「慇懃有礼」でなんだ?と思ったら、常に介添えが必要だけど、エレベーターから出て三歩あるいてちょっと振り向いたところで、膝がこけてそのまま崩れ落ちたとのこと。
 施設内でのそういうトラブルなら、救急車を呼ぶとか、その施設指定の病院に連れていってくれるものだと思ったのだが、そうではなく、車で迎えに来て適所な病院に連れて行って欲しいという意味合いらしい。
 金はあるけど身よりのない老人がその施設にてそういう事故に遭ったらどうなるのだろうか?と聞いてみたい気持ちになった。施設によっていろいろ対応種があるのだろう。

 土曜日にやっている病院は少ないのだが、ばーちゃんの主治医はタイミング良くやっていたので、そこへ運んだ。
 レントゲンを撮って見てみれば大腿骨骨折とのことを主治医から言われ、要手術で入院1ヶ月、その後に何週間かリハビリ病院、と診断された。その家族にとっては非常に分かりやすい診断結果だ。
 何かにつまずいたとか、何かにぶつかったとかなら分かるけど、普通に歩いたところで立ち止まりちょこっと体勢を変えただけで崩れ落ちたところでは、万策尽き果てた状態だ。
 施設内の平坦な場所を普通に歩けたので、もしかしたら自宅をバリアフリー的介護風リニューアルしたら少しは自宅で自活できるかもと思っていたけど、さすがにこれは無理だ。
 介護の再申請をしているので、重ねて再々申請しなければならなくなった。確実にこれで介護○×になるだろう。

 昭和一桁のばーちゃんだから、こういう施設入所は、 → 老人ホーム → 死ぬまでここ、になるのだけど、今もそれは変わらず、宗教勧誘ではないけど、家人は伝道師のようになり、そういう現実を少しずつ受け入れられるように伝道していったりもする。と、そういう境遇と意識を持つ老人はその事柄だけしか見てはおあらず、ホームにいようが自宅にいようが、トイレと風呂、食事以外は座ってテレビを見ているのには変わりがないからだ。
 あと10年ぐらい経つと「テレビなんてどうでも良いから無線LANを常備してくれ」というリクエストする入居者が増えてゆくだろう。
 
 「うちのじーちゃん、病院に入ったきりで帰ってこない」とか「病院と施設を行ったり来たりしているよ」などを良く聞いたけど、なるほど、こういうことだったのね。
 その主治医の照会状にて数週間前に肘の手術で入院していた市立病院にそのまま緊急患者として行くことができた。
 肘が腰になっただけなので、以前と同じ病棟となり、顔見知りになったナースから「あれ、この間退院したばかりなのに、今日は何ですか?」と聞かれ、その返答にやや戸惑いを感じた。

 それでも施設に迎えに行って主治医から照会状を貰って市立病院に行ったのは夕方の5時前。途中、血圧や検温、そしてレントゲン撮影もあるけど、とにもかくも待たされる。もちろん救急外来だから、忙しいなか病院は良く対処していると思うし、当事者は文句を言える筋合いなんてないのだが、付随している家人は直線的に待たされることにイライラのピークを達し、衝動的に金属バットで親をなぐる息子の気持ちがなんとなく分かる時がある。
 こういう付き添い人の為に病院は喫煙所とかゲームコーナー(できればピンボール)やミニ漫喫などを設けて欲しいと思うことしばしば~。まず無理だが。

 やっと入院準備が整い、マグロ状態のばーちゃんをベッドに寝かせて駐車場の車にエンジンをかけた時には9時を大きく回っていて、おお、12時間何も食べていないのに気付いた。
 ヤケクソ気味無性にピザーラとワインでやりたくなり、そう言えば今日の午前中にちょっと良いことがあったのだけど、そんなことはどうでも良くなりとにもかくもワインが飲みたくなった。

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