風の揺れる十一月の朝 飛行機に乗って町に着いた 町はあの頃と変わらなくて 海からの風と野の風が交差する それは町がまだ目覚める前 わたしに心開くことなく 逝ってしまったあの人の部屋の窓は やはり閉ざされたままだった 秋の最後の花々が 窓辺で紅く燃えている 風の揺れる十一月の朝