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10-6
 「仔牛」という名のカフェ

国立公園のはずれの
川がゆっくり蛇行するあたりに
「仔牛」という名のカフェが在る
赤いレンガの平屋建てで
白黒のまだらの仔牛の看板が出ている
開店時間なんて書いてないし
閉まっている時の方が多いので
お茶を目当てに行ってはいけない
開いていたなら
驚いた顔をして店内を見回して
窓際の席に座るのがいい
窓すれすれに
大きな船が通って行く
鴎と目が合うこともある
この間ふざけて友人と
「開けて 開けて 開けてください」と、
ドンドンとドアを叩いたら
本当にごつい主人が店を開けてしまい
私たちは悪いことをした子供のように
居心地悪くコーヒーを飲んだ
私達がドアを閉めて外に出た時
窓越しに主人は手を振って
即座に灯は消え
ドアをロックする音がした

Time To Time

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