INICIO > Exposi. >
36-30
 準 備

曳船が通った後の波影に
ゆりかもめが二羽揺れていた
水は深緑に淀んでいたが
よく見れば足元に魚の姿もあった
倉庫は英国家具の展示場もかかえた大きなもので
ゆっくりエレベーターは地下へ降りて行った
鍵を外すと八畳ほどの部屋が現れた
「そうですね
じゃ一月から五年間の契約でお願いします」
ここに収納される
家具やアイロンやアルバムや
発つ日までの想い出を思いながら
地上へ戻った
波の音や船の音や
鴎の泣き声や
魚の泳ぐ微かな振動が
毎日聞こえるのだろうと思った

Time To Time

36 - 30

前へ/Anterior
 intro.  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12 
 13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24 
 25  26  27  28  29  30  31  32  33  34  35  36 
次へ/Siguiente

Volver